抗がん剤についての考察

レイの日記

こんにちは、レイです

今日も読んでくださりありがとうございます。

私(がん患者の家族)の書いた日記と父(患者本人)の書いた日記を元に、患者とその家族がどのように感じ、何を思い、どう行動したかの記録を綴っています。

何か皆さんの参考になれば嬉しいです

このブログは特定の療法や特定の医師、または宗教・思想などをお薦めするものではありません。
あくまでも、がんと向き合いながら、いろんな壁とぶつかり、いろんな思いを抱き、多くの選択を迫られ、様々に枝分かれしているように見える「道」を歩んできた、ごく普通のがん患者とその娘が「等身大の幸せを見つけた」記録です。

レイの日記

手術に向けての、物理的・精神的準備

まとまらない家族の意見とは裏腹に、時間は刻々と過ぎていきました。

手術前のさまざまな検査を受け、執刀医との面接。
手術前にやることを一つ一つこなしながらも、実際の手術のその時が来るまでの間に、「納得」や「安心」、そして明確な方針を得たいと感じていました。

11月末のある日、私は仕事で京都に行っていました。
その日の午前中の診断で、最終的な検査結果と今後の治療方針を決めるということであり、いつものように録音機とできる限りの平静な心をもって、早朝の新幹線で東京の病院へと向かいました。

そこでの結果は、

「進行度5段階の3程度で、他臓器の転移はなく、一部リンパに止まっている模様。手術は年明けの13日になる。抗がん剤はTS-1で、1年間経口剤として服用する予定とのこと」

ということでした。

術後の抗がん剤治療について考える

がんの進行度については、ある程度予想ができていたことでした。
転移の有無に関しても、実際は開腹してみないとわからないもので、とりあえずの所見ということになります。

そして今回、予想はしていながらも、心に重くのしかかってきた問題――それは手術後の抗がん剤治療についてでした。

私の頭では、今まで読んだ本や、人の意見、そして私が感じている不安が、なんともいえない閉塞感となって去来します。

手術後の抗がん剤治療は避けられないものなのだろうか・・・
副作用や免疫力の低下も怖い・・・
がんを部分ととらえず、全体の病ととらえて共存を目指すなら、そしてそのために手術を時間稼ぎのためにやるのなら、その後の抗がん剤治療がもたらすものは全く逆のベクトルなのではないだろうか・・・

人の数だけ正解があると言われている、抗がん剤治療の是非

世の中には多くの抗がん剤についての意見があります。
ですから私はここで一つの考えを主張することはできません。

そしてそれができないほど、抗がん剤治療というのは個人差があるものであり、また微妙であり、またその人のがん治療を左右する大きなポイントでもあると感じているからです。

 

それから、大学病院で手術を受け、それをその医者に任せるということは、こちらはあくまでも「何も知らない素人の患者」であり、向こうは「医学に精通する医師」であるというスタンスは確固としてあります。

その中で、自分の意見をきちんと持てるかどうか。
そしてそれを時に応じて相手(医師)に伝えられるかどうか。

それはとても難しいことです。

そしてそれによって医者に悪く思われたり、医者のプライドを傷つけることにもなりかねません。

しかしこちらは命がかかっています。
プライドや、お金や、一時的な体裁よりも、何よりも大事な命がかかっているのです。

抗がん剤について、知ることからはじめ、そして自分の意見を持とうとしてみることは本当に大切なことだと、今振り返っても強く思います。

 

病院での光景と、去来する思い

検査結果の報告が終わり、病院のロビーで会計を待っている時間。

「流されたくない。

『標準治療』という流れや、製薬会社や今の医学会が作り出した既存の流れに身を任せきってはいけない。

抗がん剤をやるかやらないか、その選択は勇気がいるけれど、でも流されるままにしたのでは、とても大きな後悔をするような気がする――」

おそらく重い病を抱えているだろう人とその家族や、これから手術を行うのかなと思われる医師、おそらく放射線治療や抗がん剤によって頭髪を失ってしまった人、車いすで移動している患者さん、点滴をぶら下げてあるく人々――そんな病院での光景を眺めながら、そんなことを一人考えていたのでした。

父からのメッセージ

手術を受けることを決心した私でしたが、主治医から手術後の治療方針として、抗がん剤(TS-1)を考えていると聞かされたたときは、正直当惑しました。どう判断してよいか、知識が全くなかったからです。

そこで早速、術後の抗がん剤を体験中の友人に会ったり、ホーム・ドクターとアーユルヴェーダの医師の意見を聞き、その提案は妥当で、一般的なものだと知りました。その上で、改めて主治医に抗がん剤の「メリット(効果)とデメリット(副作用)」について確認し、その時は一応納得しました。

振り返ると、手術をどう乗り切るかに頭が一杯で、術後の抗がん剤について現実感がないというのが真相でした。

つづく

コメント

タイトルとURLをコピーしました