インドからの帰国

アーユルヴェーダ

こんにちは、レイです

今日も読んでくださりありがとうございます。

私(がん患者の家族)の書いた日記と父(患者本人)の書いた日記を元に、患者とその家族がどのように感じ、何を思い、どう行動したかの記録を綴っています。

何か皆さんの参考になれば嬉しいです

このブログは特定の療法や特定の医師、または宗教・思想などをお薦めするものではありません。
あくまでも、がんと向き合いながら、いろんな壁とぶつかり、いろんな思いを抱き、多くの選択を迫られ、様々に枝分かれしているように見える「道」を歩んできた、ごく普通のがん患者とその娘が「等身大の幸せを見つけた」記録です。

レイの日記

インドから戻った父の変化

インドという新しい地での多くの経験と、多くの精神的変化・肉体的変化と共に父が帰国しました。

3週間ぶりに会う父の顔色、体臭、受ける印象共に、別人のようでした。

会社でのストレスはほとんどないんだよと話していた父だったけれど、「精神的苦痛」という意味でのストレスは感じていなくとも、「緊張」「責任感」「社会的価値観」という類のストレスは受けていたと思うのです。

そして肉体的にも、睡眠不足も余儀なくされていたでしょうし、食生活や飲酒など、知らないうちに肉体を疲弊させていたはず。

しかしインドから帰った父は、若返ると言うよりも、一見子供のような印象を受けるような、やわらかく明るくすっきりとした印象になっていました。

そして何よりもがんを「殺す」「やっつける」という価値観から離れたということ、そして今こうして生かされていることへの感謝――それが大きく父を変えていたのではないかと感じました。

みんなで向き合っていくことの大切さ

「さあ、私たちに今できることはなんだろう。」

私たちは少しずつ混乱と悲しみから離れて、家族に希望と明るさが戻ってきました。

特に現状は変わっていない。
しかし、「がん」とどう向き合っていくかが変わるだけで、見えてくるものが変わる。

そう感じました。

インドで学んだ食事療法をベースに、日本の風土と父のライフスタイルに合った形で、まず何を食べていこうかということを組み立て直しました。

基本は玄米菜食+魚や軽めのお肉類。
そして薄味を心がけました。
しかし厳しすぎず、縛られ過ぎず、感謝していただくことを大切にしました。

日々の食事の管理については、母が率先して頑張っていました。
手術や今後の治療方針についても、家族が個々で情報を収集し、勉強をして、現実的なことや精神的なことに渡るまでじっくり話し合い、みんなで考え決めていこうということになりました。

仕事が忙しい妹も含め、家族で頻繁に集まり、みんなの気持ちや意見を交換しました。

こうして家族全員が力を合わせて、がんと共に生き、そこから様々なことを学ぼうという姿勢ができてきました。

そしてこうしてみんなで向き合っていくことが、いかに大切であるか――それは時間を追うごとに深く感じることになっていきます。

父からのメッセージ

アーユルヴェーダがもたらした三つの収穫

アーユルヴェーダの体験は、3つの大きな収穫をもたらしました。

その1:劇的な体質改善

一つは何と言っても「劇的な体質改善」です。治療効果は絶大で、帰国すると、会う人会う人が、私の変化に驚きました。肌の色や爪の色のくすみが取れ、声も張りが出て、顎のむくみも消えて、見た目が若返ってしまったのです。娘からは加齢臭がなくなったとまで言われました。

未消化物を体内から取り除ければ、体は自然に蘇るというアーユルヴェーダ理論の正しさを身を持って実感させられました。

後日手術後に判明したステージの最終結論は、当初の見立て(Ⅲb)より、かなり早期(Ⅱa)であったとなりました。ガン発見から手術まで半年も経っているにも拘わらず、5センチのガンが進行せず、休んでいたか、小さくなったことは治療のお陰だと思っています。

その2:心の安定

二つ目は内省の時間を持つことによる「心の安定」でした。
アーユルヴェーダの聖地に行くのであればと、インド哲学や宇宙観、死生観についての本やヨーガ関係の本を持ちこみ、午後の自由時間に読むことにしました。
また、娘から習った気功法や呼吸法を朝晩実践し、瞑想をしながら散歩したり、音楽を聞いて過ごしました。

日本では出来なかった内省の時間をたっぷり持つことができたお陰で、心はかなり落ち着きました。ガンに対する考え方も変わりました。
恐ろしい外敵ではなく、自らが生み出した不肖の息子のような気持ちになったのでした。

その3:非常識が生んだ「元気の復活」

三つ目は、非常識が生んだ「元気の復活」です。
当時、私は年齢的なこと、立場的なことから、どうしても守りの姿勢を取りがちでした。しかし、今回のインド旅行は充分非常識な行動でした。S先生とのコンタクトからたった2週間でインドの地に立ったのです。

短期間に会社幹部の説得、仕事の引き継ぎ、パスポート、チケット手配や荷造りを行うには相当なエネルギーが必要でした。また、現地では訛りの強い英語と自らの英会話力の貧弱さでコミユニケーションの壁に突き当たりましたが、「英語は気合だ」の精神で乗り越えました。

このような非常識な体験は、幾つになっても、いざとなれば何とかなるという自信を呼び覚ましてくれました。

ガンからの生還者はどこか非常識な行動を取っている?

ある本に「ガンからの生還者はどこか非常識な行動を取っている」との話が載っていました。

ガンは生活習慣病であり、日々の考え方や行動様式が原因の一つであるとすれば、常識との決別は確かに意味があります。
少なくとも、私にとってアーユルヴェーダ体験は、大きな内的インパクトを与えてくれました。デカン高原に立って、何故こんなところにいるのだろうという違和感と共に、なぜか元気が湧いて来たのを今でも思い出します。

時として、非常識な行動はエネルギーを生むということを、実感させていただいたのでした。

つづく

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